権利処理とは?
意味・対象になる権利・6つの工程を、やさしく

ざっくり一言権利処理とは、コンテンツに含まれる「誰かの権利」を洗い出し、使ってよいか許可をもらい、対価を決めて支払い、記録すること。映像・音楽・写真・出演者など、権利は1つのコンテンツにいくつも重なっています。
  1. 1
    洗い出す権利者一覧

    そのコンテンツに、誰のどんな権利が含まれているかを一覧にする

  2. 2
    確かめる契約書

    既存の契約で、どの使い方までOKになっているかを読む

  3. 3
    許諾を得る許諾

    足りない分について、権利者に確認し、許可を得る

  4. 4
    条件を決める条件

    利用の範囲(媒体・期間・地域)と対価(固定額か料率か)

  5. 5
    支払う支払明細

    売上報告などをもとに使用料を計算し、権利者ごとに支払い、報告する

  6. 6
    記録する・管理を続ける権利台帳

    誰に・何を・どこまで・いくらで、を次に使える形で残す

配信・DVD化など新しい使い方をするたびに、2〜6を繰り返す

権利処理の流れ(ざっくり6工程)

※お断り※
このページは、権利処理に馴染みのない方に「だいたいこういうこと」を掴んでいただくため、私の個人的な解釈を記したものです。厳密な説明から少しずれますので、ご了承くださいませ!

例え話: 一軒の家を借りるようなもの

土地の持ち主= 脚本・原作 建物の持ち主= 映像・音源 家具の持ち主= 出演者・楽曲 「配信」というパーティーを開くなら、3人全員に「いいですか?」と聞いて回る
コンテンツ=家。持ち主は1人ではない

コンテンツを「家」だと思ってください。家には土地の持ち主、建物の持ち主、家具の持ち主がそれぞれいます。映像でいえば、脚本や原作(土地)、映像そのものや音源(建物)、出演者や楽曲(家具)にあたります。

この家で「配信」というパーティーを開きたい。土地の持ち主にだけ許可をもらっても、建物と家具の持ち主が知らなければ揉めます。全員を見つけて、それぞれに「この使い方でいいですか」と聞いて回るのが権利処理です。しかも、パーティーの種類(放送、配信、DVD、グッズ)が変わるたびに、聞き直しが要ります。

もう少しちゃんと: 対象になる権利

権利処理で扱う権利は、大きく4つに分かれます。

権利の種類だれの権利かコンテンツでいうと
著作権作った人(著作者)脚本・原作・作詞・作曲・イラスト・写真・映像そのもの
著作隣接権演じた人・録音した人・放送した人出演者や歌手の実演、レコード会社の音源(原盤)、放送局の放送
肖像権・パブリシティ権映っている人出演者・一般の人の顔や名前、有名人の名前や姿の商業利用
商標などブランドの持ち主映り込んだロゴ、キャラクター、番組名の商品化

ポイントは、1つのコンテンツにこれらが同時に含まれることです。「著作権は処理した」だけでは終わりません。音楽なら「曲の権利」と「録音の権利」が別々にある、という話はコラム「音楽の権利は『曲を作った人』だけのものではない」で詳しく書いています。

6つの工程

  1. 洗い出す — そのコンテンツに、誰のどんな権利が含まれているかを一覧にする。出演者、原作、脚本、楽曲、音源、写真、映り込み
  2. 確かめる — すでにある契約で、どの使い方までOKになっているかを読む。放送時の契約に配信が含まれているか、期間や地域はどうか
  3. 許諾を得る — 足りない分について、権利者に「この使い方でよいか」を確認し、許可を得る
  4. 条件を決める — 利用の範囲(媒体・期間・地域)と対価(固定額か、売上に対する料率か)を取り決める
  5. 支払う — 売上報告などをもとに使用料を計算し、権利者ごとに支払い、報告する
  6. 記録する・管理を続ける — 誰に・何を・どこまで・いくらで、を次に使うときに参照できる形で残す(この一覧を「権利台帳」と呼びます)。公開後も、権利者への利用報告、売上に応じた追加の支払い、期限が切れた素材の差し替えが続く
ポイント実務でいちばん時間がかかるのは1と2。過去の契約書が分散していると、洗い出しだけで数週間かかります。そして、いちばん抜けやすいのが6の記録。次に配信やDVD化の話が来たとき、1からやり直しになります。

現場ではこうなる: 「放送」と「配信・二次利用」で何が変わるか

テレビ局の現場では、放送の権利処理は長年の仕組みが整っています。楽曲は管理団体との包括契約、出演者は契約書のひな型、という具合に。難しくなるのは同じコンテンツを別の形で使うときです。

家の例えでいえば、「住むため」に借りた家で、あとから「店を開きたい」と言い出すようなもの。使い方が変われば、聞き直しが要る。それが二次利用の権利処理です。

よくある誤解

  1. 「JASRACに払っているから音楽は大丈夫」JASRACやNexToneが扱うのは作詞・作曲の著作権。市販の音源には別途、レコード会社の原盤権と歌手・演奏者の権利があります
  2. 「契約書があるから処理済み」契約書があっても、その使い方(配信、期間、地域)が含まれているとは限らない。「何が書いてあるか」まで確認して初めて処理済みです
  3. 「一度処理すれば終わり」使い方が変わるたび、期間が切れるたびに、工程2〜6は繰り返します。だから「記録」が要ります

関連する用語

このページに関するよくある質問

権利処理は、誰がやる仕事ですか?

制作会社ではプロデューサーや制作デスク、放送局や配信事業者では権利処理や著作権契約の担当部署が行うことが多いです。ただ、専任の担当者がいない会社も多く、その場合は制作や編成の担当者が本業のかたわらで抱えることになります。担当者の頭の中にしか記録がない「属人化」は、ここから始まります。

権利処理には、どのくらい時間がかかりますか?

内容によって大きく違いますが、時間がかかるのは「洗い出し」と「確かめる」の最初の2工程です。過去の契約書が紙・PDF・メールに分かれていると、1作品の洗い出しだけで数週間かかることがあります。許諾の取得も、団体を通す場合は申請から数週間、個別交渉は相手次第です。配信の予定があるなら、放送や公開の少なくとも1か月以上前に着手するのが目安です。

権利処理は、一度やれば終わりですか?

終わりません。配信の延長、海外展開、グッズ化など、新しい使い方をするたびに、その使い方が許諾の範囲に入っているかを確認し直します。また、売上に応じて払う契約では、公開後も利用報告と支払いが続きます。さらに今は、有料配信プラットフォームで作品を永続的に配信するのが当たり前になり、新しい作品が出るたびに配信中の作品数は増える一方です。処理するコンテンツの数もそれにつれて増え続け、減ることがありません。だから最後の工程「記録する」が大事で、記録があれば2回目以降は確認だけで済みます。

まとめ

ヨリトキでは、この6工程を業務委託でまるごと引き受け、記録を独自ツールに集約して「次の利用」にすぐ使える状態にします。「何が含まれているか分からない」段階からでご相談ください。

まずは相談する(無料)

参考ページ

2026年9月9日時点の情報です。制度や各団体の運用は変わることがあります。

← コラム一覧へ 権利処理のQ&Aへ